【週刊ぽるねむ #13】炎上したダイナースはサインレス・スタイルを推すべきだった

クレジットカード 週刊ぽるねむ

クレジットカードの国際ブランドには色々あります。
①VISA
②マスター
③JCB
④アメックス
⑤ダイナース
⑥銀聯

その中の一つであるダイナースが先日炎上しましたね。

何があったかと言うとこんな感じです。
①美人秘書が座談会形式でダイナースを勧める記事が出る
②ほぼ名指しで他社のカードを批判するといった内容だった
③炎上

今回ダイナースが言いたかったことは「ステータス性の高いダイナースをあなたも持ってみませんか」ということを言いたかっただけです。
言いたいことはわかるんだけど方法がマズかったですね。

ただ、そもそも「クレジットカードにステータス性なんてない」という考えを持つ方が少なくないのも事実です。

今週の【週刊ぽるねむ】ではクレジットカードの「ステータス性」とダイナースクラブカードの関係ついて書いてみたいと思います。

1.ステータス性とは何なのか

クレジットカードから見られる「ステータス性」とは何か?

それは「持っているクレジットカードからその人がどういう人なのか大体推測できる」ということです。

例えば、極端ですがアメックスのブラックカードであるセンチュリオン。
年会費が税込378,000円です。

ここで何がわかるのか。
「クレジットカードの年会費に378,000円払うことができる金銭感覚の人」
ということがわかります。
したがって、この人はお金もちである可能性が高い。

こうやって推測できることが、クレジットカードの話でよく出てくる「ステータス性」の本質です。

でもこれって、別にクレジットカードに限った話ではありませんよね。
ハイブランドのバッグ。雲上の時計。高級車。
高価なものはどれも、それを持っている人がお金を持っているかどうか、ある程度推測できます。

なのに、クレジットカードにだけ「ステータス性」という言葉が使われるんですね。
実際に「ステータス性」という言葉でググったら、カードの話ばかり出てきます。

つまり「クレジットカードのステータス性」というのは、ただ所有物からその人を推測する材料でしかありません。
「ステータス性」という言葉の、その響きが上から目線な感じがして拒絶反応が出るのでしょう。

ただしクレジットカードが、ブランド物よりもその人の経済状況をより正確に表すのは確かです。
なぜなら、クレジットカードは他人から譲り受けることができないからです。

2.信用がないとカードは持てない

ブランド物のバッグは、自分で買わないでも新品をもらうことができます。
クレジットカードではそうはいきません。
基本的にカード会社から審査を受けて、その人個人に発行されます。
ビジネスカードを社員に配ったり、家族カードを家族に渡したりするケースもありますが…

これはどういうことかと言うと、クレジットカードは「お金にちゃんとしてないと持てない」ということです。

例えば
①携帯電話を契約したのにちゃんと払ってない
②借りたお金を約束の日に返さない
こういう人には、カード会社はクレジットカードを発行してくれません。
だって、払うべきお金を払ってくれないとカード会社は困りますからね。

お金にルーズな人は、まずクレジットカードを持つことは難しいです。

つまり、クレジットカードを持っているだけである程度「お金にちゃんとしている人」という推測ができるわけです。

3.お金に困っているからクレジットカードを使う人もいる

ところが、クレジットカードを持っている人はみんなお金にちゃんとしている訳ではありません。

クレジットカードというのは後払いができますから、目先の支払いの先送りができてしまいます。
つまり「今お金がないから、とりあえずカードで」ということをする人が少なくありません。

例えば、「ショッピング枠の現金化」ですね。

クレジットカードには、「ショッピング枠」と「キャッシング枠」があります。
「ショッピング枠」というのは、支払いにいくら使えるかという枠です。
一方「キャッシング枠」というのは、いくら現金を借りられるかという枠です。

カード会社はショッピング枠に比べてキャッシング枠の審査は厳しめになっています。
物を買う場合は限度がありますが、現金をギャンブルなどに突っ込み出したらキリがありませんからね。
返してもらえなくなるリスクはキャッシング枠の方が高いので、なかなか現金を借りられなくなっています。

そこでお金に困った人は「ショッピング枠の現金化」を利用するんですね。

お金にルーズな人は、だいたい現金を欲しがるものです。
借金の支払いに充てたり、ギャンブルで取り返そうとするには現金が必要ですから。
そこでショッピング枠を使って、比較的高く売れるものを買います。
そして売ります。すると現金をゲットできます。

例えば
①ショッピング枠で10万円の商品を買う
②8万円で買い取ってもらう
③つまり現金8万円借りれた!
ということになります。

2万円損してるやんけ!
でも、お金に困っている人はこれをやるんですね。
そしていつかパンクします。

クレジットカードをこうやって使う人が少なくありません。
カードを持った後に金銭感覚が狂って、お金にルーズになってしまう人がいるのも確かです。
ですので、クレジットカードを持っているというだけでお金にちゃんとしているかどうかは判断できない訳です。

こういった現実を知っている方からはむしろ「クレジットカード=支払いの先送り」という側面だけ見られるケースもあります。
「この人カードで払うってことは、今お金ないんだな」と思われることもしばしば。

クレジットカードでステータス性どころか、誤解まで受けてしまう可能性もあるんですね。

4.お金に困っている人はダイナースを持たない

ただ、クレジットカードには色々な種類があります。

今回美人秘書たちが、数あるクレジットカードの中でなぜダイナースを勧めたのか。
少なくともダイナースなら「お金に困っているからカードを使う人」と思われることがないためです。
なぜならダイナースはお金に困っている人にはカードを発行しないから。

2018年12月現在、公式サイトには入会の目安として「27歳以上」と書かれています。
今は書かれていませんが、以前は年収500万円以上という目安もありました。

これは何を言いたいかというと「審査甘くないよ」ということなんですね。

審査が甘くないというのはつまりこういうことです。
①携帯代や借金の返済がしょっちゅう遅れる人には発行しません
②社会人なりたてでカードのことをよく解ってない人には発行しません
③ある程度稼ぎがあって、かつ安定している人にしか発行しません

つまり「お金に困っている」「お金に困りそう」な人には発行しません。
ということになります。

逆に言うとダイナースを持っているということは
①月々の支払いが遅れることはありません
②カードについてある程度の知識があるので使いこなしています
③ある程度稼ぎがあって、かつ安定している仕事をしています
ということになる訳です。

なので、ダイナースで支払いをすると「少なくともお金に困ってカードで払ってるんじゃない」ということがわかるという訳です。

だから美人秘書たちは「誤解を受けないダイナースにしなよ」と言いたかったのでしょう。

5.ダイナースでカッコつけるならサインレス・スタイル

ところがですね。世の中のほとんどの人はダイナースを知りませんよね。

クレカ好きな私なんかは、もし知人がダイナース持っていたら「ダイナースじゃないですか〜」とテンションが上がります。
でも、クレジットカードに詳しくない方はダイナースを知りません。
色もシルバーなので「ゴールドではないな」と思われるだけかもしれません。

つまり今見られているのはカードの色ではないんです。
今見られているのは、お金を払う時のスマートさです。
ディナーではブラックカードを出すより「いつの間に払ったの?」を演出する方が、よっぽどマメな人間だと思われませんか。
だからダイナースでは予め決済をしておいて、当日レストランでは決済しないでいい「サインレス・スタイル」をやってるじゃないですか。

美人秘書に「ブラックカードを見せつけられるより決済しないでお店を後にする方がかっこいい」と言わせて、「サインレス・スタイル」というダイナースの独自のサービスも紹介した方が、よっぽど共感されたはずです。

カードでカッコつけるのではなく、カッコつけさせてくれるカード。それがダイナースクラブなんです。

6.まとめ

今回の炎上を機に「ダイナース解約するわー」という方がいるのが非常に残念です。
プレミアムに育てれば、ポイント還元率も2%ですし、銀座のラウンジも使えるし、素晴らしいカードなんですけどね。

ぜひこれからのサービスで汚名返上していただきたい。

ぽるねむはダイナースを応援します。

というわけで今週の「週刊ぽるねむ」は「ダイナース炎上したけど実はすごく良いカードだよ」というお話でした。

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