クレジットカードにおけるラウンジに入れる特典について
クレジットカードに付いてくる特典の中に「ラウンジ利用可能」というようなフレーズが出てきます。
この記事ではクレジットカードの特典に付いている「ラウンジ」とは何なのか、簡単に説明してみたいと思います。
1.ラウンジとは
ラウンジとは私なりに例えるならば、空港内で無料で利用できる休憩所です。
東京、銀座、京都、ディズニーリゾート内など、街中やテーマパークの中にも「ラウンジ」と呼ばれるものがあります。
ですが、今回の記事では空港のラウンジに絞って解説していこうと思います。
ラウンジに入るとテーブルと席が用意されていて、そこに座って休憩したり、飲み物を飲んだり、簡単な食事をしたりすることができます。
ラウンジよっては、シャワーが利用できたり仮眠が取れたりするところもあります。
ラウンジ内で提供される飲み物や食べ物は、基本的にセルフサービスです。
飲み物、食べ物を利用する際に、その場で代金を支払う必要はありません。
シャワーや仮眠施設の利用も同様に別途料金を支払う必要はありません。
その代わり、ラウンジは誰でも入れる訳ではありません。
あらかじめラウンジに入るための準備をして置かなければいけなくなっています。
ラウンジに入るための方法は大きく分けて3つになります。
①特定のクレジットカードを持つ
②ビジネスクラス以上の席で航空券を発行する
③プライオリティ・パスを持つ
以下、順番に説明していきます。
2.特定のクレジットカードでラウンジに入る
ラウンジの入り口のカウンターで特定のクレジットカードを提示すると、ラウンジに入れるようになります。
どういったクレジットカードで入れるかというと、一般的にゴールドカード以上のクレジットカードとなっています。
クレジットカードのグレードの順位は基本的に
1位:ブラックカード
2位:プラチナカード
3位:ゴールドカード
4位:一般カード
と、なっています。
なので、ゴールド、プラチナ、ブラックならラウンジに入れることになります。
必ずしもクレジットカードの名前に「ゴールド」とか「プラチナ」が付いているとは限りません。
例えば、「アメリカンエキスプレス・カード」は名前に「ゴールド」と入っていませんし、「アメリカンエキスプレス・ゴールド・カード」より下のランクのカードになります。
しかし、他社のカードと比べて「ゴールドカード級」に相当すると評価されており、ラウンジに入れてしまいます。
「ダイナースクラブカード」も名前に「ゴールド」と入っていませんが、こちらもまたゴールドカードクラスのカードなのでラウンジに入れます。
それどころか、ダイナースの独自のサービスによって、一般的なゴールドカードよりも多くのラウンジを利用できる特典があります。
「ラグジュアリー・カード」のグレードの順位は
1位:ゴールドカード
2位:ブラックカード
3位:チタンカード
となっていて他社のグレードの順番と違います。
ここでは3位であるチタンカードでも他社のプラチナカード級のカードなので、こちらもラウンジに入れます。
もちろん、チタンより上位のブラックやゴールドもラウンジに入れます。
この様に「クレジットカードの提示で入れるラウンジ」は「カードラウンジ」と呼ばれています。
ただ、このいわゆる「カードラウンジ」では基本的に飲み物はタダですが、食べ物は有料です。
「おいおい話が違うじゃねぇか。ふてぇやろうだ」
と思うかもしれませんが、つまりラウンジには「カードラウンジ」と比べて、もう1段階グレードの高いものがあるということです。
それが、航空会社が運営しているラウンジになります。
つまり、空港にあるラウンジは、大別して
①カードラウンジ
②航空会社のラウンジ
の、二つがある訳です。
では続いて、その「航空会社のラウンジ」に入る方法を説明していきます。
3.ビジネスクラス以上でラウンジに入る
飛行機に乗るときにビジネスクラス以上の席を取ると、各航空会社ごとに該当するラウンジに入ることができます。
こちらのラウンジは「カードラウンジ」と違って、飲み物はもちろん軽食も無料で摂ることができます。
北京空港の国際線ターミナルなど、比較的大きい空港ではラウンジも広く、シャワー室や仮眠室も設置されています。もちろん無料で利用できます。
そして、この航空会社が運営するラウンジには実はエコノミークラスでも入る方法があります。
それは航空会社の上級会員になってしまうという方法です。
各航空会社には、飛行機にたくさん乗ってくれた顧客に対して、上級会員の資格を与えてくれます。
上級会員になることにより、今後その航空会社を利用する場合に色々な特典を付けてくれるのですが、その一つが「エコノミークラスでもラウンジが利用できる」というサービスです。
例えば、デルタ航空の場合はデルタ航空をたくさん利用すると「ゴールドメダリオン会員」になることができます。
そうすると本来はビジネスクラス以上でないと利用できない、デルタ航空が運営するラウンジである「デルタスカイクラブ」をエコノミークラスでも利用することができるようになるという訳です。
さて、実は本題はここからになります。
各クレジットカードの特典としてよく強調されるのが「ラウンジが利用できる」という項目です。
その「ラウンジ」とはなんぞや。という所からこの記事が始まりましたね。
つまりこういった特典の正体は
●ビジネスクラスではない
●航空会社の上級会員でもない
●それでも航空会社のラウンジを利用できますよ
という特典のことです。
それが、次で紹介する「プライオリティ・パス」です。
4.プライオリティ・パスでラウンジに入る
「プライオリティ・パス」というのは、ラウンジに入れる会員証のことです。
まず、「プライオリティ・パス」を手に入れる手順は以下になります。
①プライオリティ・パスが発行できるクレジットカードを申し込む
②クレジットカードが手元に届いた後に、ネットか電話でプライオリティ・パスを申し込む
③プライオリティ・パスが送られてくる
この「プライオリティ・パス」があれば、航空会社が運営するラウンジに入れるようになります。
このサービスは「プライオリティ・パス」の特典が付いているクレジットカードの年会費を払い続ける限り、ずっと使うことができます。
ただ「プライオリティ・パス」の中にもグレードがあります。
●1年間に2回だけラウンジを無料で使えるタイプ(3回目からは有料)
●何回でもラウンジを無料で使えるタイプ(2人目からは有料)
●何回でもラウンジを使えるし同伴者1名まで無料のタイプ
など
自分が持っている、または狙っているクレジットカードで発行できる「プライオリティ・パス」が、どのグレードなのか利用する前にチェックしておくと思わぬ出費が発生せずに済みます。
ただし、「プライオリティ・パス」が有ればどのラウンジにも入れるという訳ではありません。
例えば、成田空港の国際線で「プライオリティ・パス」が使えるのは大韓航空が運営する「KALラウンジ」です。
デルタ航空が運営する「デルタスカイクラブ」は、「プライオリティ・パス」では利用できません。
さらにプライオリティ・パスで利用できるラウンジが無い空港もあります。
予めプライオリティ・パスで入れるラウンジがどのラウンジなのか調べておくと安心してラウンジを利用することができます。
5.ラウンジってそうまでして入りたいものなの?
さて、ここまででクレジットカードの特典として注目される「ラウンジに入れる!」ということが、どういうことなのか説明してきました。
ただ「そこまでしてラウンジに入らなくてもよくね?」という意見もあると思います。
ぶっちゃけ飛行機に滅多に乗らない人からすると、そんなに有難いサービスではありません。
何故なら滅多に来られない空港内という非日常空間では、やることが多いからです。
お店はいっぱいありますし、お土産を選ぶのも時間がかかります。
喫茶店やレストランもたくさんありますし、ラウンジに入っている暇もないほど忙しいはずです。
ところが、出張族だったりで飛行機に頻繁に乗る人たちからしたら、たいへん有難いサービスです。
しょっちゅう飛行機に乗る方だと、どこで何が売っているか極めているため、お土産選びなんかはすぐに終わってしまいます。
とはいえ、時間が余るからと言ってギリギリで空港に来るわけにも行きません。飛行機の場合は万が一のトラブルで乗れなくなったりしたら大変なことになりますからね。
土地勘のない海外とかではトラブルが怖いので、なおさら空港に早めに到着しておくようになります。
じゃあ空港内のレストランで時間を潰そうと思っても、そういう訳にはいきません。
空港内の喫茶店やレストランは値段設定が街に比べて比較的高めになっていますので、時間潰しのために入るには気が引けるでしょう。
こういう時に無料で食事も休憩もできるラウンジに入れると、たいへん有難いという訳なんですね。
更に、ラウンジは飛行機を乗り継ぐ場合に大活躍します。
乗り継ぎの予定がある場合は、最初に乗る飛行機が少し遅れても予定通り乗り継ぎできるように、後に乗る飛行機の時間を余裕をもって予約しておく必要があります。
この乗り継ぎの待ち時間にラウンジに入れると、何時間でもまったりしていられるので非常に助かるというわけです。
6.まとめ
最後に、まとめとしてラウンジのポイントをおさらいしておきます。
●ラウンジにはカードラウンジと航空会社のラウンジがある
●カードラウンジでは基本飲み物だけ無料
●プライオリティ・パスで入れる航空会社のラウンジは軽食も可能
●プライオリティ・パスの回数制限や人数制限は要チェック
●プライオリティ・パスで入れるラウンジは空港ごとに異なるので要チェック
こんなところでしょうか。
ひとえに「ラウンジ利用可能!」と謳っているクレジットカードでも「カードラウンジのみ」の場合もあるので、利用したいラウンジが特典に含まれているかどうか、しっかりチェックして申し込みたいですね。
以上、ラウンジに関する簡単な解説でした。