【AMEX】なぜアメックスにはキャッシング機能が付いていないのか。
アメリカン・エキスプレス(アメックス)というクレジットカードがあります。
アメックスは「一律の限度額がない」や「事前入金ができる」など、特徴的な仕様にないっています。
もう一つ、アメックスの特異性を上げるのであれば、キャッシング機能が付いていないという点があげられます。
今回はアメックスにおける「キャッシング機能がない」ということが、一体どういうことなのか、まとめてみたいと思います。
1.キャッシング機能とは
「キャッシング機能」というのは、「現金を借りられる機能」ということになります。
つまり借金ですね。
クレジットカードは現金が無くてもお金を使うことができる代物ですが、逆に現金が必要な時にも貸してくれるようになっています。
この「キャッシング機能」は、だいたいのクレジットカードに付帯しています。
ただ、「借金をする」となるとそれなりの審査が必要になってくるのはご存知ですよね。
クレジットカードの審査と、キャッシングの審査は別ものです。
運転免許で言うと、オートマとマニュアルぐらい違います。
つまりクレジットカードを発行する時に「キャッシング機能」も一緒に付けると審査難易度がグッと上がるというわけです。
さて、アメックスにはこの機能がありません。
これによって、何が起きるのか?
アメックスの審査の可決率が上がるということです。
2.アメックスの可決率
「アメックスの審査は緩い」という話がネットではよく見られますが、これには「キャッシング機能が無い」という事も大きく関係しています。
クレジットカードにキャッシング機能を付けると…
●クレジットカードの審査
●キャッシングの審査
…を、行うことになります。
この時に「クレジットカードの審査」に受かっても「キャッシングの審査」に落ちてしまうことでカードが発行されないケースがあります。
エポスカードの様に「キャッシングの審査落ちたけどカードは発行してあげるわ」というケースもありますが、必ずそうなる訳ではありません。
つまり、ネット上で「クレジットカードの審査に否決しました」という人の中に「カードの審査には受かったけどキャッシングの審査に落ちただけ」という人も一定数いる訳なんですね。
一方、アメックスは「クレジットカードの審査」しかしません。キャッシング機能がそもそもありませんから。
なので、アメックスは否決率が低いわけです。
キャッシングはそもそも借金です。
貸す側はどうしても貸し倒れのリスクを背負うことになります。
アメックスとしては、キャッシングの手数料で稼ぐことよりも、堅実に会員数を増やすことを大事にしているということです。
3.不便なことも
キャッシング機能というものについて「お金に困っている人が使うもの」というイメージを持ちがちですが、必ずしもそうという訳ではありません。
キャッシング機能は、ポジティブな動機でも使われます。
それは「海外キャッシング」です。
海外ではキャッシング機能を使って「現地通貨」を借りることができます。
現地通貨を海外キャッシングで調達すると、ガイドや両替所で両替するよりも、手数料を安く済ませることができます。
アメックスはこの「海外キャッシング」が使えないというわけです。
ここで、私の体験談も紹介しておきます。
先日中国に行った時に、人民元が無くて困っていました。
ホテルのフロントに「円と元を両替したい」と申し出たところ、「海外キャッシング使ったら?」と勧められました。
「日本のアメックスはそれできないんすよー」と説明したら無事に両替はしてくれましたが、手間と時間が掛かるのは確かです。
この様に、キャッシング機能がポジティブに活躍する機会もあるわけです。
4.まとめ
アメックスにキャッシング機能が無いのは、経営戦略ということでしょう。
貸し倒れリスクを大きく減らすことはもちろん、「現金が無ければアメックスが使えるお店に行けばいいじゃない」ということにもなります。
プラチナ・カード以上になればコンシェルジェが使えるので、予め現地通貨の調達方法も相談しておけばいいかもしれませんね。
物欲のコントロールに自身が無い方にとっては、「キャッシング機能が無い」ということは安全装置の役割も果たしますので、むしろメリットにもなります。
アメックスにキャッシング機能が無いことは、決してデメリットだけというわけではないんですね。